2024/07/11投稿者:スタッフ

生活相談員(介護課長) Yさん

採用担当を兼ねている相談員Yさんに採用側と相談員の仕事と施設の働き心地を聞いてみました。

 

長年勤め続けた理由

特に私は長かったので、介護保険が始まる前から働いており、いろんな時代を経験しました。時代の移り変わりを見てきて、楽しかったというか、特に嫌だと思ったことはなかったので他に行く必要がなかったんです。施設が始まったころは措置の時代で、歩き回る利用者が多く、外に勝手に出て行ってしまう方や飲みに行ってしまう方も多かったです。それでも、その混沌とした状況を楽しんでいました。

 

変わりゆく介護の時代を経験して

身体拘束が当たり前だった時代もありました。当時は、歩けない方や車いすの方にベルトをしたり、ベッドの柵で囲んだりするのが普通でした。でも、身体拘束が駄目だという風潮が生まれ、うちでも身体拘束を外さなきゃということで、私が身体拘束廃止委員となり、1人ずつ外していく作業をしました。この過程で、どうやれば大丈夫かを考えるのが楽しかったです。

 

転職を考えなかった理由

不満もなく仕事ができていたので、転職することは一切考えたことがありませんでした。本当にこの職場が好きで、楽しく働けているからこそ、他に行く必要がないと感じています。

 

この施設で多くの時代を経験し、変化を見てきました。どんな時でも楽しさを見つけ、やりがいを感じて働けていることが、私が30年続けてこれた理由です。

 

仕事を通じて変わった性格と喜び

この仕事をしていたからかどうかわからないんですけど、利用者さんの小さな喜びを一緒に喜べるようになったんです。前向きに考えることができるようになりました。病院や施設ではネガティブになりがちですが、私は一人ひとりのいいところを見つけて、ここまでできるんだという風に考えられるようになりました。これもこの仕事のおかげかもしれません。

 

利用者の喜びを一緒に感じる

昔は病院で脳梗塞を起こした方が寝たきりになり、点滴を受けながらご飯も食べられない時代がありました。しかし、この施設に来て初めて車椅子に乗る方が多く、その結果行動範囲が広がり、皆さんとても喜ばれました。それが自分自身も嬉しくて、利用者さんと一緒に喜び合えるのがとても素敵だと感じています。

 

利用者の可能性を信じて

立てなくなった方がトイレに行きたいと訴えても、普通なら『無理だ』と諦めてしまうところを、何とかしてあげたいと思いました。全然立てない方を二人がかりでトイレに座らせたことがあります。その時、その方は病気後、初めてトイレで排尿ができ、本当に嬉しそうにされていて、一緒に喜び合える瞬間がすごく素敵でした。この仕事をしていなければ、こういう喜びを感じることはなかったと思います。

 

 

 

 

~採用担当者として~

 

中途入社した職員がどのような流れで独り立ちするのでしょうか

まず、うちでは2日間から3日間、オリエンテーションを行います。座学で施設の規定や心構え、防災についての情報を伝えます。例えば、消火器の場所や消火栓の使い方、身体拘束や虐待についての話も行います。

 

具体的にどのような実践的なレクチャーを行うのですか?

実際の介護経験者であっても、排泄介助に使用するオムツの種類や当て方を1からレクチャーします。また、うちの施設では洗濯物の流れも重要です。非常勤の職員が洗濯を担当し、ボランティアさんがたたむ役割を担っています。この流れやボランティアさんとの関わり方も半日かけて経験してもらいます。

 

現場に入った後の研修はどのように進められますか?

現場に入ってからは、2ヶ月間ほどは人について教えてもらいます。ペースは人によって異なりますが、最初の1ヶ月は必ず誰かについて学びます。早番、遅番、日勤といったシフトを経験しながら徐々に覚えていき、独り立ちしていく流れです。

 

どのような方に入社してもらいたいですか?

やっぱり利用者のいろんなところに気づきが持てる人、いろんなことを考えてあげられる人がいいですね。たとえば、利用者がどんなことで喜ぶかを一緒に見つけて、その喜びを分かち合えるような人が理想です。こんなことをしたらこんなに喜んでくれましたよ、といったエピソードを共有できる人がいいなと思います。